雪くんは、まだ足りない。









天悠くんに会った次の日の放課後。


今日は日直で日誌を書くために1人教室に残っている。


あれから
遊馬くんと話していない、遠くから姿を見かけてもわたしから声をかけることもしなかった。


だけど変わったことが一つだけ。


最近、遊馬くんが微笑みながら女子生徒と話しているのを見るとなんだか……胸がザワザワする。


モヤモヤ霧の中にいるみたいになる。


これは一体……?




「ねぇっ、宮近蘭ちゃんだよね?」




そんな声がしたのは日誌を書く手を止めてぼんやり外を眺めていた時のこと。


駆け足で教室に入ってきては私の席の前まで来る。