「遊馬はすげーみやちゃんに会いたがってたけどなー…」
小さく独り言のように言った声がわたしの耳に届く。
ドキッと音を立てる。
会いたがってた……。
だめだめ…惑わされたら。
「まさかー…遊馬くんかっこいいからモテるし、わたしのことはただからかってるだけで」
「ここ最近、ずーっとみやちゃんの話ばっかりしてるぜ。…まあいつもの事だけどそのいつもにも増して」
「………」
「やりすぎたとか泣かせちゃったとか嫌われたかもとかマジで女々しいくらい。よく総長やってるよな」
遊馬くんが…?
そんな事、言ってたなんて信じられない。
泣かせただなんて
わたしが勝手に変なこと想像して泣いちゃっただけなのに…遊馬くんは何も悪くないのに。


