雪くんは、まだ足りない。


「基地に行くの?」


「え…いやわたしは反対の電車に乗るから」


「なーんだ、遊馬に会いに行くのかと思った」


「へっ!?」




な、なんでそうなるの?


戸惑っていると天悠くんがにやっと嫌な笑い方をする。




「違うの?」


「違うよっ…行き方だって知らないし…」


「俺今から行くけど一緒に行く?」


「……行かないです…」




天悠くん…すごいグイグイ来る…。
無邪気というか…なんというか。


ポロッといろんなこと喋っちゃいそう。


そう言えば天悠くんが来てる学ランって…この辺で1番の進学校じゃない!?
…天悠くんって、掴みどころない。