雪くんは、まだ足りない。



「蘭ちゃん、すごいドキドキしてる」


「だって…こんなの、」


「こんなの何?」


「……こんなの…知らない…っ」




遊馬くんに背を向ける体勢でよかった。
そうじゃなかったらきっと、真っ赤になってる顔を見てまたからかわれる所だった…。


こんなにドキドキしたりするのは……遊馬くんだから…?


それじゃあまるで…遊馬くんを……。





「ね、蘭ちゃん。俺のものになってよ」




小さく、甘い言葉と遊馬くんの甘い声で囁かれた。




「蘭ちゃんが他の男に触られてるのいやだ」




心臓が壊れそうなくらい速く動く。
遊馬くんの顔が見れないから、どんな顔してるのかわからない。