雪くんは、まだ足りない。



「遊馬ーっ!お前も座れ!」




先生の怒号が遊馬くんへ飛んでくる。


なに…!!
今なにが起こってる!?


先生の声を無視するように、遊馬くんはパニックになっているわたしの方を見る。


さっきの睨みつけてきた顔からは想像もできないくらい、優しく微笑んでいる遊馬くんに胸がどくん…っと高鳴る。




「…すげー顔真っ赤」


「っ…!」




誰のせいだと思ってるの…!!


この人は…危険だ。
絶対近づくべからず!ってわたしの全神経が言ってる!


こんなイケメン…わたしなんかに興味を持つわけない。


女の子なら誰でもこういうことをしてるんだ…!!