雪くんは、まだ足りない。


わたしの目の前で止まり…




「宮近蘭」


「は、はい!」




フルネームで呼ぶ声は、遊馬くんとは違う酷く大人びて聞こえる。
緊張してしまって声が上ずってしまった。


わたしよりずっと高い身長の七枷先輩は、黒髪から覗く目が鋭くわたしを捕らえて離さない。




「話がある、来い」


「え、あの!!」




突然腕を捕まれわたし達が行こうとしていた道とは逆の方に引っ張られる。


なになに!?!?
わたし何か言われる!?


何かしたっけ…風紀を乱したとか?


自分の制服の着方を確認するため俯く……けど、スカートもそんなに短いわけじゃないしリボンも付けている。