「そうだ、連絡先交換しない?」
「へ…あ、うん」
お互いスマホを取り出してLINEを交換。
“遊馬雪”と名前があるだけでアイコンは未設定のまま。
「なんかあったらメッセージでも電話でもして」
「うん」
「何にもなくても連絡してきていいよ」
「…何かあった時だけにしますっ」
そう言ったわたしに笑いかけた遊馬くんはスマホを裏返しにして座席に置き、目的地に着くまで窓の外を見ていた。
家に着いたところでわたしだけ降り、遊馬くんはまた基地へ戻って行った。
家に入ったところでピコンとなったスマホを開くと遊馬くんから“もう家から出ないように。また学校で”とメッセージ。
なんて返そう…と悩んで悩んで結局返せないまま、週末を過ごした。


