雪くんは、まだ足りない。


遊馬くんの言葉にコクリと頷く。


あの時、遊馬くんが助けてくれなかったら…
考えるだけでも震えが止まらなくなる。


大丈夫大丈夫って思ってたけど、今度からはしっかり気をつけないと。




「それに遊馬が大勢の前で宣言したんだろ?これからはこういうこと増えていくな、確実に」


「蘭ちゃんの顔、他の族にも知れ渡ってるみたいだしね…」




飛び交う会話は物騒なものばかり。
しかもわたしに関するもの…。


怖い…漠然とそう思っていると隣の遊馬くんの手が肩に回され抱き寄せられる。


わわわ…っ!
また距離が近いよ!




「それを守るのが俺たちだろ、仲間が1人増えたところで何も変わらない。…指1本触れさせるな」