お父さんとお母さんの顔を見ていられない。
渡された制服の入っている袋を手に取りいそいで2階の自分の部屋に駆け込む。



「……外部と連絡取れない学校か」



なんだか、いらなくなって捨てられるみたいな気持ち。
今日からしばらくお父さんとお母さんにも会えなくなるんだ。当たり前にあったものが当たり前じゃなくなる恐怖なのか、突然別れることになった悲しさなのかわからないけど、涙で視界がボヤけて見慣れた自分の部屋さえも見えなくなった。



「―――っう、っ………」



「……芹那」
「……芹那ちゃん」



部屋の扉が静かに開いてそこにはお父さんとお母さんがいた。そして2人は私に駆け寄ると優しく抱きしめてくれた。



「……ちょっとび、びっくりしちゃっただけだから大丈夫だよ」



「芹那はパパとママの大切な宝物だよ。」