『せりちゃん、僕が大きくなったら僕と―――』



見覚えのない顔の男の子がサファイアのように綺麗な瞳で私を見つめる。
場所は子供の頃よく遊んでいた公園。
そして、気付いたら行かなくなっていた場所。



《君はだれ――?》



と聞きたいのに口は金縛りにでもあっているように動かない。これは、私の記憶―――?



遥かに今より低い視界、目の前の小さな男の子。
これは、夢なのかな?それとも私の記憶?
そして景色は一転して先程まで頬を赤らめて笑っていた男の子が大粒の涙を流しながら私を見ていた。



「せりちゃん、せりちゃんっ!!ぼ、僕のせいで―――」



《き、みは―――》



【これ以上はダメ。思い出さないで、せりちゃん】




そう言われたかのように、視界が黒いモヤモヤで何も見えなくなった―――。