噂の最強少年は女の子

「離せよ!」



「もー、じたばたすんなって」



車に乗る司を見送って、柊につれられあたしも違う車に乗せられる
大人しくしてるのにあたしの右腕はまだ離されない




「絶対司は病院連れてけよ」





「大丈夫大丈夫、ほらもう病院ついたらしいし」




「はや、」




携帯の画面にはピースをする司の姿
つか、司も司だ
なに、あんな脅しみたいなこと言いやがって
あたしがビビるはずなくない???

ほんとに、あたしがよくもわからんところに連れてかれてんだよ





冷静になれよ






「無理やりでごめんね」





「謝るんなら下ろしてくれ」





「いやそれは出来ないけど」





無理無理なんて顔の前で手を振る
こいつほんとにふざけてんの?





「なんかね、薫ちゃんのこと言ったら」




「その呼び方やめろって」





「薫ちゃんのことを」






「くそ」





ずっと思ってたけど、こいつほんとに腹立つな!!
ムカつくから窓の外でも見て意地でも無視決め込んでやる






「白夜の総長にいったんだ
喧嘩してくれないけど強い子いるよって」





「…」





「そしたら連れて来いって」





「…」





「神経図太くて、身長は低めで、可愛い顔してて、女の子みたいっていったら」




「俺の…秘密は」






「あぁ、そんなの言うはずないよ
だって、総長女嫌いだし」







窓の外に向けていた顔を勢いよく柊に向ける
こ、こいつやばいことしてる
あたしの青ざめた顔とは別に呑気にあくびなんてしてやがる






「おま、ほん、ばか、え、?」





「お前ほんとに馬鹿って?
そんなの僕には関係ないよ
ただ白夜を強くしたいだけだよ

総長のことなんか知ったこっちゃないしね」




「…」





「そもそも女嫌いってなんだよって感じじゃない?
触られたりしたら真っ赤になるとか…ガキじゃん??」







「キャラ崩壊してる、」




そう?なんていたずらっ子のように笑った