(仕方ない……)

 優月はもう一度窓を見上げる。
 せめて雨は降らないでと改めて小さく願った。



 ──勿論、こう言う時の願いは叶わない。

「……」

 放課後、昇降口の入口から外れた所で優月は立ち尽くしていた。優月が思っていたよりも凄まじく降り続ける雨に溜め息が止められない。
 どうして自分はこんなにもいつもタイミングが悪いのだろうと思わず俯いてしまった。