「さっきみたいに落っこちるかもしれへんやろ〜? 危なっかしーわ〜」
「うっ……別にいつも落ちてるわけじゃ……」
「そんなんやったらもっと目ぇ離せへんで!!」
「別に気にしなくても……一人で仕事するの嫌いじゃないですし……」
「そーなん? ま、今日ぐらいはええやん」
「うぅ……」
(ご、強引だ……)

 そもそもなんでこんなに構われるのだろうと優月は疑問に思いながら、もう埒が明かないと仕事を再開するべく歩き出す。

「じゃあ……お言葉に甘えて……」
「ん、甘えとき甘えとき。なんなら脚立にでもなろか?」
「……そ、それは遠慮しておきます……」

 虎谷の恐らく冗談にも優月は苦笑しながら返し、その後は二人で図書委員の仕事をこなしていったようだ。
 こうして二人は奇妙な出会いを果たしたのだった。