妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「私もドルートン伯爵も、被害者なのです! 娘達は愚かなことをしました! 申し訳ありません!」

 アドルグの目の前で、カラスタ子爵は地に頭をつけて謝ってきた。
 それにロヴェリオが困惑しているのを横目で見ながら、アドルグは自分と倍以上年が離れた子爵を見下ろす。
 そうやって見下ろしてみても、彼にはまったく持って理解することができなかった。自分よりも立場が弱い者を虐げることの何が楽しいのかが。

「カラスタ子爵の言う通りです。私達は、きちんとした教育を施してきたつもりです」
「お、お父様、何を……」
「しかし、この娘達は期待を裏切りました。正直頭を抱えています。こんな出来の悪い娘を持つことになるなんて、思ってもいませんでしたから」

 アドルグが二人の令嬢の行いについて考えていると、横からドルートン伯爵が声をかけてきた。その言葉にアドルグは表情を歪める。ドルートン伯爵もカラスタ子爵も、自らの保身しか頭にないことが伝わってきたからだ。