妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 アドルグがそれぞれを睨みつけると、サナーシャは震えて、ペレティアはその表情を歪めた。
 クラリアから、二人の令嬢の様子はアドルグも聞いている。そのことからも予想していたが、彼は改めて主導権を握っているのはペレティアであると気付いた。
 家同士の力関係的にも、それは特におかしくはないことだ。それを認識しながらアドルグは、ドルートン伯爵の方に目を向けた。

「ドルートン伯爵、あなたにお聞きしたいことがあります」
「な、なんでしょうか?」
「ご息女は、前々から少々お転婆な所があったと聞いています。以前にも同じようなことをしたそうですね。その時あなたは、何も注意しなかったということでしょうか?」
「ま、まさか、きちんと注意しましたとも」

 アドルグには、ドルートン伯爵が嘘をついていることはすぐにわかった。
 彼の目は泳いでいる。それは明らかに、やましいことがある時の動きだ。