妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 アドルグは、ドルートン伯爵とその娘であるペレティア、カラスタ子爵とその娘であるサナーシャとロヴェリオとともに対峙していた。
 二人の令嬢は、アドルグのことを睨みつけている。ただその視線に力はない。流石に彼女達も、正式な公爵家の令息である自分には勝てないと思っていることを、アドルグは理解した。
 その一方で、彼女達の父親はすっかり怯え切っていた。この国において、ヴェルード公爵家の影響力は多大だ。その機嫌を損ねているという現状が、二人はよくわかっているようだ。

「アドルグ様、これは一体どういうことなのでしょうか?」
「……ペレティア嬢、質問の意図が計りかねる。あなたは俺に何を聞きたいのだ?」
「どうしてあなたが、ここを訪ねて来たのかを聞きたいのです。私達が一体、何をしたというのですか?」
「まさかわかっていない訳でもあるまい。俺の妹をあなた達は侮辱したのだからな」