妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「……けれど、このままではいけないと思います」
「……おや、それはどういうことでしょうか?」
「ウェリダンお兄様は、他人にわかってもらえなくても良いなんて、本当は思っていないからです」
「何を言うかと思ったら、そのようなことですか。クラリアなら、僕のことをわかってくれると思っていたのですが……」
「そうやってムキになっているのが、何よりの証拠ではありませんか」
「ムキに? 僕がいつムキになったと……」

 私の指摘に、ウェリダンお兄様は固まっていた。
 自分でも気付いたのだろう。私の指摘に対して、語気を強めて反論しているということに。
 本当に何も思っていないのなら、笑って受け流すことだってできたはずだ。それをしなかったということは、図星だったということである。

「……あの、ウェリダンお兄様?」

 そんなことを考えながら、私はウェリダンお兄様に声をかけた。
 彼は固まったまま、まったく動かなくなっている。それがあまりにも長い時間であったため、少し心配になってきたのだ。