妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「変なことを話してしまいましたね。申し訳ありません」
「……変なんてことはありませんよ。ウェリダンお兄様にも色々なことがあったとわかりましたから」
「……そうですか」

 ウェリダンお兄様は、少し気まずそうにしていた。
 その気まずさというものに対して、私はどうするべきか悩む。今のウェリダンお兄様に、私がかけるべき言葉とは一体何なのか、それがすぐには出て来なかったのだ。

 いや、正確には少し違うのかもしれない。私には言いたいことがある。だけど、それを言っていいのかどうか、一瞬迷ってしまったのだ。
 ただ答えはすぐに出た。このままウェリダンお兄様のことを放っておくことが、良いことだとは思えない。だって話している時のウェリダンお兄様は、辛そうだったから。