妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「えっと、イフェネアお姉様の提案はありがたいものだと思います。仰る通り、私には社交界のあれこれがわかりませんから」
「ええ、そうでしょうね。それは別に恥じることではないわ。仕方ないことだもの」
「それを教えていただけるのは、嬉しいです。でも、同じ部屋で暮らすなんて良いのでしょうか? イフェネアお姉様にも、プライベートというものが必要なのではありませんか」

 イフェネアお姉様が私の味方であるということは、理解することができた。そんな彼女からの指導は、正直受けたいと思っている。
 ただ、それは当然イフェネアお姉様に負担をかけることになってしまう。二人で同じ部屋で暮らすと、プライベートの時間もなくなるし、本当に大丈夫なのだろうか。それが心配である。

「私のことを気遣ってくれて嬉しいわ。ありがとう、クラリア。でも、その点については大丈夫よ。私はむしろ誰かと過ごすことに幸せを感じられるタイプだから」
「そういうものなのですか?」
「ええ、今は毎日寂しいと思っているわ」