妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「人には、それぞれ役割というものがあるのよ。お父様とお母様は、忙しかった。それからアドルグお兄様も、時期後継者としての期待を背負って大変だったの。もちろん、お兄様はお優しい方だから、私達のことも気に掛けてくださっていたけれど、それでも限界というものがあったのでしょうね」
「え、えっと……」

 目線が合ったことでわかったことだが、イフェネア様は私に対して特に怒りを向けていないようだった。
 彼女は、優しい目をしている。というか、今にも泣きそうなくらいに瞳が潤んでいる。それに私は、少し驚いていた。

「その辺りをカバーするのが、このヴェルード公爵家の長女である私の役割だったわ。だから弟と妹の面倒を見てきたつもり。それは両親やお兄様にも伝わっていたと思うの。だからこそ、私の部屋で兄弟四人で過ごしていた」
「そ、そうだったのですか?」