妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「お父様もお母様も、それからお兄様も何を考えているのだか、まったく持って理解できないわ」
「……」
「右も左もわからないあなたにこんな部屋を与えて、一体何になるというのかしら? もう少し物事というものを考えてもらいたいものね」

 イフェネア様は、かなり怒っているようだった。
 彼女は、ゆっくりとこちらに近づいて来る。しかし私の体は、動いてくれない。急に気を引き締めたからか、体が固まっていたのだ。

 そんなことを考えている内に、イフェネア様は私の間近まで来ていた。そこで彼女は腰を下ろして、私と目線を合わせてきた。
 その動作に、私は驚くことになった。なんというか、とてもイフェネア様の目がよく見える。ただそれだけのことなのに、なんだかとても安心することができたからだ。