妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「はあ……」

 ウェリダンお兄様との話を終えて、私は自室の前まで戻って来ていた。
 なんというか二人のお兄様は、ひどく過激である。それだけ怒ってくれているというのは、私からすればありがたいことでもあるのだが、いくらなんでもあんまりだ。もう少し抑えてもらいたい。二人にはそれを実行できるだけの権力がある訳だし。

「とりあえず、休もう……」

 そのことで少々疲れた私は、自室にゆっくりと入っていた。
 すると、違和感を覚えた。なんだか気配を感じるのだ。部屋の中に、誰がいるような気がする。
 そう思って周囲を見渡してみると、窓際に一人の女性が立っていた。その姿には、見覚えがある。あれはヴェルード公爵家の長女であるイフェネア様だ。

「あら……戻って来たのね」
「イフェネア様……ど、どうしてこちらに?」
「あなたのことを待っていたのよ」
「ま、待っていたって……」
「あら、何か不満でもあるのかしら?」
「い、いえ、そういう訳では……」