妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「……もうドルイトン侯爵になろうとは思われないのですか?」
「それは兄に任せます。そもそもの話、その方が良いと心の中では思っていました。しかしそれを認められず、兄への反発をあなたにぶつけてしまった。今となっては、恥じるべき事柄です」

 ディトナス様は、私に対して再度頭を下げた。
 私はそんな彼に、背を向ける。彼と話をするということには、少々の躊躇いがあった。しかし話してみて良かったと今は思っている。

「これからも頑張ってください。私から言えることはそれだけです」
「……ありがとうございます」

 最後にそれだけ言い残して、私は待ってくれていたロヴェリオ殿下と合流した。
 彼は鋭い視線をディトナス様の方に向けている。どうやら私よりも、彼に対する警戒心というものは大きいらしい。