妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 八年という月日を改めて実感して、私は今の自分というものを見つめ直していた。
 私が憧れているイフェネアお姉様は、今の私くらいの年にはもっと立派だったような気がする。まるで進歩がないという訳ではないが、それでもまだ足りないと思ってしまう。

「それは……俺だって、そんなものさ。あの頃のアドルグ様所か、ウェリダン様やオルディア様にすらなれていないような気がする。そもそもクラリアとイフェネア様は違う人なんだ。比べる必要なんてないだろうさ。スタートラインだって違う」
「それでも、精進しようという心は忘れてはならないと思うのです」
「それはそうだな。少し耳が痛いが……クラリアは立派だな」

 私の言葉に、ロヴェリオ殿下は笑顔を浮かべてくれていた。
 その笑顔を見ていると、安心できる。だがだからといって、努力を忘れてはならない。私は、もっと立派な貴族の令嬢になってみせるのだ。