妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「ええ、そうですね。そのくらいになると思います」
「時が経つのは早いものだ。とはいえ、二人の仲というものは変わっていない……いや、より親密になっているというべきだろうか」

 リチャード殿下に言われて、私は思い出す。
 婚約が決まってから、いやそれ以前から、本当に色々なことがあった。時には苦しいこともあったけれど、それも今では良い思い出だ。

「クラリア? それにリチャード兄上も」
「ロヴェリオ殿下」
「ロヴェリオ、愛しのクラリア嬢のお越しだよ」
「兄上、やめてくださいよ。からかうのは」

 そんなことを話していると、ロヴェリオ殿下がやって来た。
 リチャード殿下に茶化されて、彼は顔を赤くしている。ちなみにそれは、私も同じだ。