妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 ロヴェリオ殿下は、アドルグお兄様に抗議していた。
 その言葉によって、事態をアドルグお兄様だけは事態を把握していたことを私は理解する。
 そのお兄様が聞き耳を立てていれば、まあ事情はすぐに察せただろう。その結果、皆で聞き耳を立てていたなんて、それはなんというかひどい話だ。

「ふふっ……」
「クラリア? なんで笑って……」
「ロヴェリオ殿下、私は今、とても幸せです」
「……そうか」

 私は思わず、笑顔を浮かべていた。
 ヴェルード公爵家に引き取られることになってから、どうなるかと初めは思っていた。だけど今は、こんな風に温かい人達に囲まれている。
 それはとても幸福なことであった。私はこれからもきっと、笑ってくらしていけるだろう。この温かい家族達とともに、日々を歩んでいくのだから。