妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「ペレティア・ドルートン伯爵令嬢と、サナーシャ・カラスタ子爵令嬢、アドルグ兄上はこの二人が怪しいと睨んでいます。ただ、それが間違いという可能性もあるでしょう。故に検証しておかなければなりません。これは、あの二人の人相書きです」
「あ、この人達です。間違いありません」
「当たりでしたか」

 ウェリダンお兄様が懐から取り出した紙に書かれた顔を見て、私はほぼ反射的に言葉を発していた。それは紛れもなく、私にひどい言葉をかけてきたあの二人だったからだ。
 それを聞いてウェリダンお兄様は、笑みを浮かべている。自分の調査に成果があったことを喜んでいるということだろうか。

「まあ、可能性は高いと思っていました。二人は評判の令嬢ですからね。もちろん、悪い意味でということですが……」
「わ、悪い意味、ですか?」
「ええ、二人は自分より下とみなした人間を見下して、口汚く罵ることで有名です。あなたのような立場の令嬢に対して、以前にもそういったことをしていたようです」