妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 ウェリダンお兄様は、私の言葉に表情を少し強張らせていた。
 当然のことながら、その人と会うのは怖いのだろう。しかしそれでも、ウェリダンお兄様は前を向いている。過去と向き合い、未来へと進もうとしているのだ。

「僕も過去と決着をつけなければならないようですね。クラリア、付き合ってもらっていいですか?」
「私、ですか? それは構いませんけれど、私なんかで良いんですか?」
「クラリアだからいいんですよ。あなたのお陰で、僕の時間は動き始めたのですから」
「ウェリダンお兄様……わかりました」

 ウェリダンお兄様の言葉に、私は静かに頷いた。
 私の存在が、どれだけ役に立つかはわからない。だけど、ウェリダンお兄様が私を必要としてくれるなら、私はどこまでもついて行くだけだ。