妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「さてと、一つ言っておきましょうか。僕はあなたのことを排斥するつもりなどはありません」
「えっと、それは……」
「あなたと僕の間には、差というものが存在します。ただそれは所詮、親の世代のしがらみというものです。僕には関係がありません。というよりも、興味がない。上に立つ者というのは、弱い者の味方であるべきだと、僕は認識しています。僕は辛い立場にあるあなたを助けたいと思っています」

 ウェリダン様からは、先程までの笑みが消えている。その真剣な表情からは、彼の真摯な思いが伝わってきた。
 どうやらヴェルード公爵家において、彼も私の味方となってくれる人であるようだ。それを理解すると、肩の力が抜けた。自覚していなかったが、私はかなり緊張していたようだ。

「ウェリダン様、ありがとうございます」
「くくくっ……別に兄と呼んでも構いませんよ。血縁上、僕はあなたの兄にあたるのですから、アドルグ兄上と同じで問題ありません」
「そ、それではウェリダンお兄様……」