妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「これは、名誉の負傷だからね……男の僕にとっては、誇らしいものさ」
「男だとか女だとか、そういう問題じゃないよ。一歩間違っていたら、死んじゃったかもしれないんだよ?」
「わかっている。だけど、エフェリアを傷つけようとする者を放っておく訳にもいかないからね」

 そこでオルディアお兄様は、その目を細めた。
 とても冷たい目をしている。その目からは、エフェリアお姉様を害する者を許さないという意思が伝わってきた。

「それに今回は、ヴェルード公爵家にまたケチが付くことを避けたかったからね。彼女に行動してもらって、こちらが被害者であることを大々的に示しておきたかった」
「……同情を誘うために、あんな無茶をしたんですね?」
「クラリアには、辛い役目を押し付けてしまったね。それはごめん」
「私よりも、エフェリアお姉様に謝ってください」