妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?


「ただこういった場に二人が参加する以上、これは必要なことだとは思う。やっぱり、婚約したということは示しておくべきことだ」
「本当に、色々とあるんですね……大変というか」
「面倒だといえるかもしれないが……まあ、それを言ったらおしまいか」

 ロヴェリオ殿下の言葉を聞きながら、私は周囲を見渡していた。
 それは彼の言葉を受けたことによって、自然とそうしていたのである。
 そこで私は、一人の令嬢が気になった。周囲の人達は内心はともかく表面上は祝福しているのだが、その令嬢は壇上の二人を睨みつけているのだ。

「……オルディアお兄様」
「……クラリアも気になったのかい?」
「はい。あちらにいる令嬢ですよね」

 その令嬢を見つけた私は、オルティアお兄様が同じ方向を見ているのに気付いた。
 私が気付くよりも先に、彼女のことを見つけ出していたらしい。明らかに怪しいし、やはり気になるのだろう。