妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「僕達としても、こういった形で挨拶をするのは本意という訳ではないのだけれどね。もう少しちゃんとした場で、それぞれの兄弟が揃って挨拶できると良いのだけれど」
「いえ、それが難しいことだということは、流石の私でもわかっていますから……」
「難儀なものだね。アドルグ兄様やイフェネア、ウェリダンにも会いたいのだけれど。エフェリアやオルディアとも、満足に話せたとは言い難いし」

 リチャード殿下は、ゆっくりとため息をついた。お兄様方と楽に会えない現状に、彼は少し不満があるようだ。それが仕方ないことだということは、わかっているだろうけれど。
 ちなみにエフェリアお姉様とオルディアお兄様は、現在レフティス様と話している。舞踏会にて、二人の婚約を大々的に示すための準備を行っているのだ。
 結局の所、私以外のヴェルード公爵家の兄弟も忙しくしている。やはり立場上、落ち着いてゆっくりと話すなんてことはできないということだろう。