妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 ウェリダン様は、私の眼前で手を合わせた。
 その動作に、私は首を傾げる。それは一体、何をしようとしているのだろうか。
 いただきますとか、そういう意味の可能性はある。まさか私は、本当に取って食われてしまうのだろうか。

「はい」
「……え?」

 そんなことを思っていると、ウェリダン様はその手を離した。
 すると彼の手には、一輪の花が握られていた。先程までそこには何もなかったはずなのに、ウェリダン様はその花を私に差し出してくる。

「お近づきの印です」
「あ、ありがとうございます……」

 目の前で起こった奇妙な出来事に、私は混乱していた。
 彼は一体、何をしたのだろうか。まったく持って、訳がわからない。もしかしてウェリダン様は、魔法使いか何かなのだろうか。

「……ど、どうやったんですか?」
「……はい?」
「ウェリダン様は、魔法使い、なのでしょうか?」
「おやおや……」