妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「他の兄弟達も、クラリアさんには会いたいとは言っていたけれど、今日はどうなるか微妙な所かな……」

 リチャード殿下は、顎に手を当てて考えるような表情をしていた。
 王族の方々は、きっと忙しい身なのだろう。というか少なくとも一人とは絶対に会えないということを、私は知っている。なぜならその人は、今この王城所か国にいないからだ。

「えっと、ラナメシア姫は今この王城にはいらっしゃらないのですよね?」
「ああ、姉上のことか。クラリアも知っているんだな?」
「ええ、もちろんです。というか、この国で知らない人の方が少ないのではありませんか?」

 ロヴェリオ殿下の言葉に対して、私は率直な意見を述べていた。
 この国の第一王女であり、王家の長姉であるラナメシア姫は、隣国に嫁いだと聞いている。
 それは、二国の和平を示すための結婚であるらしい。確か、そんなことを村にいた時に聞いたことがある。