妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 とはいえ、そこまで伝わるまでに色々と脚色されていたのかもしれないし、それらの噂を全て鵜呑みにするべきではないだろう。リチャード殿下とは、あまり色眼鏡をかけずに接していった方が良い気がする。

「でも、クラリアさんとこうして会えて良かったよ。ずっと気になっていたんだ。君はただでさえ厳しい立場にある訳だし、色々と起こっていたようだからね」
「あ、はい。でも、ロヴェリオ殿下の助けなどもあって、なんとかなっています」
「それなら良かった。ロヴェリオもよく頑張ったね」
「いや、まあ、俺はそんなに何かした訳ではないんだが……」

 リチャード殿下は、穏やかな笑みを浮かべていた。
 彼は噂では優しい王子様であると言われていたが、それは本当であるらしい。その人を包み込むような雰囲気に、私は思わず笑みを浮かべていた。