妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「それじゃあ、俺のことも知っていたのか……」
「ええ、私と同い年の王子だと聞いていました」
「なるほど……」

 ロヴェリオ殿下のことも、聞いたことはあった。
 ただ、彼のことを耳にする機会というものは、それ程多くなかったと思う。基本的に、年齢が高い王女や王子のことの方が、話題にはなりやすいのだ。

「僕のことも知っていたということかな?」
「あ、はい。それはもちろんです。リチャード殿下は、次期国王様でもありますし」
「まあ、どうなるのかはわからないのだけれどね」

 目の前にいる穏やかな青年、第一王子であるリチャード殿下のことは、特に良く聞いていた。
 次期国王の筆頭候補ということもあって、彼が何かをするとそれが瞬く間に王国中に広まっていくのだろう。それは末端の村にいる私達の耳にも、きちんと入ってくる程だった。