妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 それは愚かなことだといえるかもしれない。アドルグお兄様を信頼しきるのは危険なのではないか。私の頭の中にはそのような考えが過ってきた。
 ウェリダン様が言っているように、あれは彼の貴族としての手腕が光ったというだけなのかもしれない。貴族は口が上手いと聞いたことがあるし、その可能性は高いような気がする。

「そういった方面に関して、僕は駄目駄目ですからね。子供の心に取り入るというのはどうにも難しい事柄です」
「え、えっと……」
「クラリア、あなたに質問をしてもよろしいですか? ああ、これはあの二人の令嬢とは関係がない事柄ですが……」

 ウェリダン様は、こちらにゆっくりと近づいて来た。
 私は、少し後退る。なんというか、怖かった。元々苦手に思っていたウェリダン様に近づかれるというのは、正直言って少し辛い。

「クラリア、あなたは花は好きですか?」
「花? え? えっと、嫌いではありませんが……」
「そうでしたか。それなら幸いです」
「うん?」