妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「これはこれは、僕がよく知らない内に二人はかなり親しくなったようですね……」
「え、えっと……」

 ウェリダン様は、意地が悪そうな笑みを浮かべている。
 彼のその笑みに、私は息を呑む。どうしてアドルグお兄様のことをそのまま言ってしまったのだろうか。今まではアドルグ様と言ってきて、慣れているのはそちらのはずなのに。
 気が抜けていたということだろうか。私は自分の発言を後悔することになった。

「アドルグ兄上は手が早いですね……まったく、もうクラリアを取り込んでいるとは。その手腕には恐れ入ります」
「え?」

 ウェリダン様の言葉に、私は少し固まってしまった。
 なんだろうか、彼が言うとまるで何かしらの策略が行われているかのように思えてくる。
 いや、実際にその可能性はあるのだろうか。アドルグ様には何かしらの思惑があって、ああいったことを言った。私はその可能性を、今の今まで考えていなかった。