妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 レフティス様は、立ち上がっておりオルディアお兄様の方に近づいていた。彼はお兄様の肩に手を置き、顔を近づけているようだ。
 それが何をしているのかは、ここからでは正確にわからない。ただ、まるで口づけをしているかのようだ。

「エ、エフェリアお姉様、あ、あれって……」
「うん。まあ、そういうこと、なのかな……レフティス様、大胆」
「いや、大胆って、オルディアお兄様はあれを許したんですか?」
「どうだろう? 不意打ちだったのかな?」
「不意打ちって、そんなことしますかね?」
「うん? 確かによく考えてみると、大問題だよね」

 目の前の状況というものに、私達はひどく動揺していた。
 しかし、段々と冷静になってくる。あれは本当に、口づけをしているのだろうかと。

 そもそもの話、レフティス様はまだエフェリアお姉様と正式に婚約しているという訳でもない。だというのにあんなことをするなんて、失礼というか問題であるだろう。
 となると、あれは口づけをしているという訳ではないということになる。流石にレフティス様がそんなに馬鹿だとは考えにくいし、角度的にそう見えているだけだろう。