妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「お気になさらず。事情は聞いています。どうやら色々なことがあったそうですね。あの後は大丈夫だったのですか? なんだか大きな声も聞こえましたし……」
「ええ、あの場もなんとか収めることはできました」

 レフティス様は、やはり大袈裟な人であった。
 どこか言動が仰々しいし、ともすれば演技のようにも思えてしまう。だからだろうか、彼の真意というものは読み取ることができない。
 もしかしたら、これも一つの術ということなのだろうか。貴族というものは、自分を律する必要がある訳だし、その一環という可能性はあるかもしれない。

「それなら良かった……ことの顛末については、一応耳には入っています。ディトナス侯爵令息とは友人でしたから、少し残念です」
「……彼と仲が良かったのですか?」
「人並みに付き合いはありました。ヴェルード公爵家の方々の前でこういうことを言うのは少々気が引けますがね。しかし彼には、どうにか再起して欲しいと思っています」