妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 ヴェルード公爵家の屋敷に戻って来た私は、以前までとは少し違う気持ちだった。
 アドルグ様という心強い味方を得られたことは、私の心を明るくしてくれるものだったのだ。
 とはいえ、この屋敷での生活が心地良いという訳ではない。貴族の生活というものが、そもそも私にとっては堅苦しいものなのだ。

「動きにくい……」

 貴族の服というものは、平民のものと比べると派手で豪華である。
 その豪華な服というものは、動きやすいとは言い難い。なんだか全体的に重苦しいし、好んで着たいものではなかった。
 ただ、脱ぎ去る訳にもいかない。そんなことをしたら、このヴェルード公爵家の人々から非難されるだけだからだ。

「おやおや、これはこれは……」
「え?」
「クラリアさんではありませんか。こんな所にいましたか」