妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 過激なことを言ってはいたものの、冷静な判断力というものを失っている訳ではないらしい。それは当然のことといえば当然のことなのだが、今回の相手であるドルイトン侯爵家のことを、きちんと考えているようだ。

「……まあ相手が侯爵家ともなると、ヴェルード公爵家を持ってしても、そう簡単にはいかないことでしょうからね。しかも相手は嫡子ともなると、流石にギロチンは難しいでしょう」

 アドルグお兄様の言葉で起こった沈黙の後に、最初に言葉を発したのはウェリダンお兄様であった。
 以前の二人の令嬢は、伯爵家と子爵家の令嬢であった。それでもすごい権力を持っていたはずだが、ヴェルード公爵家の敵ではなかったのだろう。
 しかし今回の場合は、別であるらしい。本気でやり合った場合、ヴェルード公爵家もただでは済まないのではないだろうか。