妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「なんだ……わかっているんじゃないか。そうだ。あいつは、生まれてはならない命だったんだ。あいつが生まれたことが間違いなんだよ!」
「それは違う!」

 しかしディトナス様の次の言葉には、オルディアお兄様は強く否定した。
 そんな風にお兄様が感情を露わにするのは、初めて見た。エフェリアお姉様にとっても意外だったのだろうか。私を抱きしめるその体が、少し強張っているのがわかった。

「生まれてはならない命なんてものはない。確かに、父上や母上は間違いを犯した。だけれど、クラリアが生まれたことが間違いだったなんてことはない」
「なんだと?」
「クラリアには罪はない。妹を否定する者を僕は許さない」
「妹……」

 そこでディトナス様は、私の方に視線を向けてきた。
 その視線に、私の体は少し強張る。その鋭い視線は、やはり怖いものだった。