妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 ディトナス様は、ロヴェリオ殿下に対して必死の形相で弁明した。
 しかし、それは届いているようには思えない。ロヴェリオ殿下は、目を細めてディトナス様のことを睨みつけている。

「それならあなたの話を聞かせてもらおうか?」
「……ロヴェリオ殿下、ディトナス様がクラリア様に無礼を働いたことは事実です」
「お、お前……」

 質問を投げかけられたダルークさんは、正直に答えていた。 
 それに対して、ディトナス様はその表情を歪めている。当然のことながら、彼は真実を話されたら困る立場だ。

 しかしダルークさんが、そこまで正直に話すとは驚きである。彼は、このドルイトン侯爵家の使用人だ。家が不利になるようなことを証言するとは思わなかった。
 もっとも、どの道私が真実を話したら同じことになる。先程既に口論もした訳だし、ダルークさんには最早失うものなどないということだろうか。