妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 そんな中で響いてきた声は、聞き覚えがあるものだった。
 私は、声がした方向を向く。するとそこには、一緒にここに来る予定だったロヴェリオ殿下がいた。
 彼の表情は強張っている。どうやらこの場に来て、一瞬で状況を理解したようだ。

「ロヴェリオ殿下……」
「ディトナス侯爵令息、クラリアに何をした?」
「何をって……」

 ロヴェリオ殿下に詰め寄られて、ディトナス侯爵令息は怯んでいた。
 先程までは私やダルークさんに対してかなり強気だったのだが、流石に王子である彼に対して、それは無理だったらしい。
 いやというよりも、ロヴェリオ殿下はすごい剣幕だ。これは単純に、その迫力に負けているのかもしれない。

「僕は別に何もしていない。彼女と少し話していただけだ。そこに、こいつが割り込んできて……」
「ほう?」