妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 しかしディトナス様も、怒ってはいるがそれを殊更問題視している風ではない。その様子に私は、少し違和感を覚えていた。

 とはいえ、今はそれについて考えている場合ではない。
 庇ってもらったとはいえ、ディトナス様のこの行動というものは問題であるだろう。凡そ、許されるような行為ではない。二人の令嬢の件から、私はそれをよく知っている。

「逆らおうなどと思ってはいません。しかし、このようなことを見過ごせる訳がないでしょう」
「はっ! 笑えるな。お前はいつも僕の邪魔をする」
「ディトナス様……」

 ディトナス様は、その表情を歪めてダルークさんのことを見ていた。
 なんというか、二人は浅からぬ関係にあるような気がする。今のやり取りは、まるで家族――兄弟であるかのようだった。

「……あんたらの言い合いなんて、聞きたくはねぇよ」
「……何?」
「あなたは……」