妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「……ふう」

 お茶会が本格的に始まってからしばらくして、私は人の波に揉まれていた。
 アドルグお兄様と一緒に行った舞踏会でも経験したことではあるが、その人混みというものは私にとっては結構辛いものであった。
 ヴェルード公爵家の妾の子ということもあって、私はそれなりに注目されていたような気がする。それは被害妄想かもしれないが、とにかく私は疲れてしまった。

 少し休んだ方が良いということで、私はお茶会の会場から少し離れさせてもらっている。
 一緒にロヴェリオ殿下も来てくれる予定だったが、途中で彼は引き止められてしまった。王族である彼に声をかける人は多くて、とりあえず私だけでここまで来たのである。
 それは、仕方ないことだといえるだろう。そもそもロヴェリオ殿下は私を気遣って一緒に来ようとしてくれていただけだろうし。

「……こんな所で何をしているんだ?」
「え?」