妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 オルディアお兄様の結論に関しては、私も同意である。
 ディトナス様と婚約した所で、良いことにはならないと思う。彼にとっても私にとっても、お互いは良い相手ではない。
 もちろん、私はヴェルード公爵家の判断に従うつもりではあるが、できれば彼とは婚約したくないと思っている。それはきっと、彼も同じだ。

「まあ、無理をして婚約する必要なんて、ないだろうさ」
「ロヴェリオ殿下……」
「もちろん、家同士の事情でそうしなければならない時もあるかもしれないが、今はそういう時という訳でもないだろう」

 そこでロヴェリオ殿下が、私の肩に手を置いてそんなことを言ってきた。
 彼の表情は、心なしか明るいような気がする。何か良いことでもあったのだろうか。