妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「僕としても、その婚約については是非とも叶えたいものだと思っています。当たり前のことではありますが、公爵家との繋がりは欲しいですからね」
「え? あ、はい。そうですか」

 ディトナス様は、エフェリアお姉様に対して話しかけていた。
 彼は私の方を見向きもしない。それでわかった。彼は私との婚約について、乗り気ではないということなのだ。
 そういえば、ドルイトン侯爵が私を挙げていたというだけで、彼がそうだとは聞いていない。つまり親子の間で、認識の違いのようなものがあるということだろう。

「まあ、とりあえずお茶会を楽しんでください。せっかくの場ですからね」

 ディトナス様は、私に視線を一瞬だけ向けてきた。
 その視線というものはとても鋭くて、少し怖い。その目を見て思い出すのは、二人の令嬢のことだった。彼はあの二人と、同じような目をしているのだ。