妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「歓迎しますよ。王家の方とお友達になれるなんて光栄ですからね」

 ディトナス様は、エフェリアお姉様の言葉に笑顔を浮かべていた。
 ただ、彼は私の自己紹介の時には、また少し表情を強張らせていたような気がする。多分これは、気のせいではない。彼は私に、思う所があるようだ。
 となると、少し心配になってくる。本当に今回の訪問は大丈夫なのだろうか。

「……さてと、まあ既にお聞きかとは思いますが、当家はヴェルード公爵家との婚約を望んでいます」

 そこでディトナス様は、小声でそのようなことを呟いた。
 婚約の件については、当然のことながら把握しているらしい。それなのに、その婚約の対象である私に対して渋い顔を見せているということは、彼自身は乗り気ではないということだろうか。